本メモ

「海馬―脳は疲れない」重要な所メモ

投稿日:2013年3月24日 更新日:

本メモのコーナーです。
今回は、『海馬―脳は疲れない』という本を紹介します。

これは、ほぼ日刊イトイ新聞などでマルチに活動してる、糸井重里氏と、
脳科学者の池谷裕二氏の、脳についての対談本です。

それぞれの章に対して、
「章のまとめ」がついていて、
その内容だけでも、重要なことが大体知れるので、
それを中心に見ていきます。

それぞれの章のより詳しい内容は、対談の中で書かれてます。


■はじめに

<図1>  <図2>  <図3>

・頭が良いとか悪いとかということは、勉強ができるとか、難しいことをよく知っているということとは違う、「こまやかな気配り」「いざという時の適切な対応」「おもしろい遊びの発見」「的確な状況判断」・・・・・・などというようなことを自然にできる人がいると、周囲の人たちは「あの人が頭がいい」と言う
・頭をよくすることは、よく生きることにつながっているはずである
<よりよく生きたい>という望みが、<より頭をよくしたい>という思いを生む
・そういう観点で、この本は作られた。
脳の研究者の池谷裕二さんと、コピーライターの糸井重里さんの対話の中から、
「よりよく生きる」ことと「より頭をよくする」ことのつながりを見つけていこうと思う
 

■第一章、脳の導火線

・ひとりの人でも、バカである時もあれば、頭がいい時もある
・冴えてるかそうでないかは、一時的な状況にすぎない
・つまり、頭のはたらいている状態は、変えることができる。だったら、頭を駆使している状態を続けていればいい
・『自分は毎日つまらない仕事をしている』と思い込んでる人でも、脳の使い方を変えることで、常に問題を解決するよろこびを感じることができるかもしれない

~第一章まとめ~

●「もの忘れがひどい」はカン違い
・「年を取ったからもの忘れをする」は、科学的には間違いである。脳の力を引き出すためには、老化を気にするよりも「子どものような新鮮な視点で世界をみられるか」を意識することのほうが大事である

●脳の本質は、ものとものとを結びつけること
・ものとものとを結びつけて新しい情報をつくっていくことが、脳のはたらきの基本である。
・脳は、毎日出会ってる新しい情報がどういうものなのかを分類している
・そして、何かを解決したい場合は、まったく関係のないように見える情報どうしをとっさに結びつける

●ストッパーをはずすと成長できる
・人間の体は、ある方向へのエネルギー注入をとめることで、他方向へのエネルギー注入を増やすようにできている
・脳も同じで、ストッパーをはずさないことには、ブレーキがかかってしまう
・ストッパーをかけずにやり続けてみると、能力は飛躍的に向上する

●三〇歳を過ぎてから頭はよくなる
・あらゆる発見やクリエィティブのもとである「あるものとあるものとのあいだにつながりを感じる能力」は、三〇歳を超えた時から飛躍的に伸びる

●脳は疲れない
・脳はいつでも元気いっぱいである。寝ているあいだも脳は働き続け、一生使い続けても疲れない。
「脳が疲れたなぁ」と思わず言いたくなる時でも、実際に疲れているのは「目」である

●脳は刺激がないことには耐えられない
・何の刺激のない部屋に二~三日間放置されると、脳は幻覚や幻聴を生み出してしまう
・固定した見方でおなじことを見ることにも、脳は耐えられない
・新しい刺激がないところでは、人間は生きていくことが難しくなる
・脳は本能的に刺激があるほうに向かう

●脳は、見たいものしか見ない
・脳は自分が混乱しないようにものを見たがる
・非常に主観的で不自由な性質を、一方で持ってる
 

■第二章、海馬は増える

・第二章では、いかに脳を働かせるか、どうやって能力を伸ばすか、どのようにして脳の陥りやすい罠にはまらないようにするか、などを見ていく

・脳の記憶の方式には、二種類ある。
ここでは、「暗記メモリー」「経験メモリー」と呼ぶ

□暗記メモリー(意味記憶):
・単なる暗記。Whatを記憶

□経験メモリー(方法記憶):
・自分で試してみてはじめてわかることで生まれたノウハウのような記憶。Howを記憶

~第二章まとめ~

●脳の成長は非常に早い
・実際の体験を通してものごとに上達していくことは、想像以上に簡単に達成できる。なぜなら、実践するたびに脳にできていく回路は、「二の何乗」というかたちで増えていくから
・経験すればするほど、脳の回路が緊密になる

●脳は、わからないことがあるとウソをつく
・脳は理不尽なことが起こると、もっとも合理的な方法で決断をする
・また、海馬を損傷して自分の記憶があやふやになると、欠けた記憶につじつまを合わせるように、延々とつくり話をしてしまう

●マジックナンバー7
・人間が整理できる記憶は7つぐらい
・意識できる記憶はかなり少ない

●海馬は増やせる
・一般的には、脳の神経細胞は生まれた時がいちばん多く、あとは減る一方だと言われているが、脳の「海馬」の神経細胞は、成人を超えても増えることがわかった

●旅は脳を鍛える
・何もない環境にいたネズミを刺激的な環境に移すと数日で海馬が増える
・海馬にとっていちばん刺激のあるものは空間の情報である。つまり、旅をするほど海馬に刺激が与えられる

●脳に逆らうことが、クリエイティブ
・刺激を求めているけど、同時にいつでも安定した見方をしたがるのが脳である
・創造的なことをしたいと思っている人は、画一的な見方をしたがる脳に対して、挑戦していかなければならない

●「これが、他人の悩みだったら・・・・・・」が、悩みを解決するコツ
・悩みを自分のこととして考えると、悩みの本質を見失う場合がある
・他人の悩みだと思うと、案外、客観的に「悩みの芯」だけ見ることができる
 

第三章、脳に効く薬

・脳を発達させる、新しい環境を、人工的につくり出すことはできないだろうか?
・科学的な物質が、いかに脳に影響を及ぼすのかについてが、第三章のテーマである

~第三章まとめ~

●記憶力を増す食べものは、あることはある
・イチョウやブクリョウといった中国で生薬に使うものは、海馬の神経細胞を活性化させる。ただ、これらは多量に摂らなければ効果は出ないし、副作用も心配である
・今のところ、一番良いと思われるのは朝鮮人参である
・お酒を飲む前に摂ると記憶が飛びにくいものとしては、サフランがある

●やりはじめないと、やる気は出ない
・やる気を生み出す場所は脳の側坐核にあり、そこの神経細胞が活動すればやる気がでる。刺激が与えられると活動する場所なので、「やる気がない場合でも、やり始めるしかない」。やっているうちに側坐核が自己興奮してくる

●寝ることで記憶が整理される
・眠っているあいだに、脳は起きていたあいだの出来事をあれこれとつなぎ合わせて、新しい組み合わせをつくり出す。組み合わせた夢が現実と整合性が取れるかどうかを検証する
・眠らないということは、海馬に情報を整理する猶予を与えないことになる

●酸化することは腐ること
・酸化するというプロセスは、腐るということとほぼ同一である
・人間も酸化するプロセスで年を取るのではないかという説が提唱されている

●失恋や失敗が人をかしこくする
・実験をすると、ミスをしたサルのほうが記憶の定着率がいい
・間違えることは、脳にとって飛躍のチャンスである

●生命の危機が脳をはたらかせる
・扁桃体や、海馬をいちばん活躍させる状況は、生命の危機状況である
 

■第四章、やりすぎが天才をつくる

・やってみなければわからず、やってみたことではじめてノウハウとして会得できるものを、この対談では「経験メモリー」と呼んで注目している
・経験メモリーは、やればやるほど、飛躍的に能力が上がり、何歳になっても脳の海馬は大きく発達していく
・センスや感性という言葉で表されるような知覚について、「個性は、経験メモリーのパターンの組み合わせの差から生まれる」という視点で捉える

~第四章まとめ~

●受け手がコミュニケーションを磨く
・神経細胞の繋がるカギを握っているのは受け手である。
脳細胞がそうであるように、わたしたちの日常でも、「受け手としての磨かれ方」が、
コミュニケーションにおいて重要かもしれない

●センスは学べる
・人間の認識は感性も含めて記憶の組み合わせでできている。
よって、創造性も記憶力から来ると言うことができる

●やりすぎてしまった人が天才
・脳の中のつなぎ変えをやり尽くしている人がいる
・そういった「思わずやり過ぎてしまうほどに動機のある人」を、天才と呼ぶのかもしれない

●予想以上に脳は使い尽くせる
・「脳は使い尽くせるんだ」と気づくことができたら、どんな年齢であっても、脳の力は伸ばしていける
・「これおもしろいなぁ」と感じることで、自分の視点にひとつ新しいものが加わり、脳のパターンの認識も増える
・新しい視点の獲得を繰り返すことで、脳はそれらの視点を組み合わせ、驚くほどおもしろい考え方や発見を生み出していく

●問題はひとつずつ解こう
・問題を背負いこんでしまいがちな人は、解決すべき問題をひとつずつ紙に書いてみると良いかもしれない。
問題をひとつずつ明らかにして、ひとつずつ個別に解いていけば、きちんと解決することができる場合がほとんどである
・脳は達成感を快楽として蓄える
・達成感を得るためには、小さい目標を設定して、ひとつずつ解決していくと良いかもしれない

●言ってしまったことが未来を決める
・脳は、ひとつのことを決め付けたがり、なおかつ安定化したがる。
いいことを言うとその通りになり、悪いことを言ってもその通りになってしまう

●他人とつながっている中では出た仮説には、意味がある
・「あとで修正するかもしれないけど、今考えてることはこういうことです」という表現は、可能性に満ちている



-本メモ

執筆者:


  1. 渡辺徹 より:

    自分の身体を自分の脳が観察する方法。
    正座して礼をする、2つの音を同時に聴く、聴いている気持ちを広げる、今の日時場所から宇宙の大規模構造その外側迄思う。両手が生き生きし、呼吸が自然に感じる。
    身体は宇宙の一部、脳が観察して宇宙から学ぶ。私は50歳から80歳迄毎日これを行として暇つぶしに利用している。1938-3-14生まれ

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